連合野とは、運動や感覚に関わる総合的な情報処理をしている場所のことだ。

そうした連合野のうち、前頭葉にある前頭迎合野(前頭前野)は、大脳新皮質のなかでももっとも発達した部分である。

ヒトなど進化した高竹;助物ほど前頭連合野が発達している。たとえばヒトの場合、人脳新皮質の約30%が前頭連合野であるのに対し、ネコは約4%、イヌでは約7%、チンパンジーでも約17%しかない。

このため前頭連合野は脳のなかの脳とも呼ぱれ、脳の最高中枢機関であると考えられている。

言語中枢の発見 - 神経伝達物質の仕組み

当初、脳は全体が同じような働きをもっていると考えられていた。

しかし1861年、フランスの外科医ブローカは、言葉を理解できても話すことのできない失語症患者を研究した結果、前頭葉の特定の部分が損傷していることを発見した。この発見により、脳は部分部分で別々の機能をもっているということがわかったのだ。

このブローカが発見した言語野は、言葉を話したり、文字を書く機能をもっていることから、迷動性言語野または彼の名前を収ってブローカ野と呼ばれるようになった。

次いでドイツの神経学膏のウェルニッケは、側頭葉のある部分に言葉を理解する機能があることを1874年に発見した。ここを損傷した人は、言葉や単謡を理解できなくなったり、本人は正しく話をしているつもりでも、意味不明のことしか話せなくなってしまうのだ。こうして、この部分は感覚性言語野またはウェルニッケ野と呼ばれるようになった。

前述したように、これらの言語野はほとんどの人が左脳のみにもっていることが多い。

脳は場所ごとに異なる独自の機能をもっていることがわかったことで、脳科学は飛躍的に進歩していった。脳の一部を損傷した人を調べたり、手術中の脳に電気的な刺激を与えたときの患者の反応などにより、脳の詳細な機能地図がつくられていったのだ。

大脳は2つの大脳半球(左脳と右脳)に大きく分かれており、脳梁という神経繊維の太い束で結ばれている。

大脳は表面から奥へ向かうに従い、大脳新皮質、大脳辺縁系、大脳基底核という部分から成り立っている。

大脳の表面にある大脳新皮質は灰色をしているため灰白質とも呼ばれる。ここに神経細胞(ニューロン)が密集している。その下には白色をした自質(大脳髄質)がある。白質には大脳新皮質の神経細胞から伸びる神経繊維(軸索)の束がある。

ところで大脳皮質には、この大脳新皮質のほかにも、進化的に古い脳である旧皮質と古皮質がある。進化的に古いもの順に旧皮質、古皮質、新皮質というわけだ。

ヒトなど高等な動物になるほど新皮質が発達している。ヒトでは大脳皮質の90%が新皮質である。大脳新皮質が思考や知覚、記憶、言語、運動など高度な脳機能の中枢といえる。

新皮質の発達により、大脳の奥へ追いやられることになったのが旧皮質、古皮質である。この旧皮質と古皮質の部分が大脳辺縁系にあたる。辺縁系とは文字どおりふちに追いやられたという意味合いがある。このように大脳辺縁系は進化的に古い脳なのだ。

大脳辺縁系は怒りや恐怖、不安など原始的な感情(情動)や、食欲、性欲などの本能、さらに記憶に関係している場所である。まさに大脳辺縁系こそが、心や感情に深く関わっている場所といえる。

もっとも奥にある大脳基底核は、脳幹や小脳と連絡を取り合い運動やバランスをコントロールしている。