どうして人には感情があるのか
喜怒哀楽は特にヒトで発達した感情表現である。動物にも似た行動表現はあるが、ヒトはど複雑でバラエティに富んだ感情表現をするものははかにいない。
ヒトでこうした複雑な感情表現が発達したのは、大脳の前頭連合野が発達したことと、社会的なコミュニケーション手段として、こうした表現方法が必要だったからだと考えられている。
恐怖や怒り、悲しみ、幸福、驚き、嫌悪という基本的な6つの顔の表情は、人種や文化が異なっていても普遍的だからだ。
生後まもない乳幼児でも、こうした基本的な顔の表情を見分けることができる。このことは、ヒトに生まれながら、こうした感情表現を見分ける能力が備わっていることを示している。ヒトが進化する過程で、こうした能力が身についてきたのだ。
ヒトの赤ちゃんは本能的にほほえむ。これはほほえむことで、親や他者からの保護を得るためだ。また、声をだして泣くのは、自分に対し周囲の注意を引き、自分のところへ引き寄せるためである。
自分だけでは生存能力のない乳幼児にとって、ほほえんだり、声をだして泣くという行為は、生きていくために必要不可欠のものなのである。
脳の障害などにより、他人の表情や態度から感情を読み取ることができなくなったり、共感することができなくなると、ヒトとのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまう。