どうして憂うつになるのか? それは継続的なストレスなどにさらされていると、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れてくるからだ。神経伝達物質とはその名のとおり脳内で様々な情報を伝達するために働いている化学物質のことである。

心とはどこにあるのか?

心はどこにあるのか? 人々は古くからこの謎を追い求めてきた。

6千年前のエジプトでは、心は心臓にあると考えられていた。実際に恐怖や緊張を感じたときには心臓がドキドキする。

また「胸がはずむ」「胸が痛む」「胸をうつ」などの表現があることからも、昔の人々は心が心臓にあると考えていたことがわかる。英語でも心臓と心は同じ「ハート」だ。

4千年前のバビロニアでは、心は肝臓にあると思われていた。これも「肝がすわる」「肝が太い」などの表現や[腹がたつ]「腹黒い」といった表現からも、心が腹部にあると考えられていたことがわかる。

古代ギリシア時代になると、医学の祖であるヒポクラテスは、心は脳にあると考えた。これは現在の一般的な考え方と同じである。さらに哲学者のプラトンは、心は脳と脊髄にあるとした。知性や理性は脳に、欲望などは脊髄にあると考えたのだ。

しかし、プラトンの弟子であるアリストテレスは、ふたたび心は心臓にあるとした。

その後、ローマ時代になるとギリシアの医師ガレノスが、心は脳室にあると考えた。脳室とは脳の奥にある脊髄液で満たされた部分のことだ。この説は中世において長く信じられていた。

17世紀、哲学者のデカルトは、脳の中心部分、間脳にある松果体という器官が心の源であるとした。

そして、19世紀になると脳科学は飛躍的に発達し始め、心は脳の活動によるものであるという説が一般的になってきたのだ。